ジミー・リードなのだ
ジミー・リードである。
ブルースというにはユルい、R&Bというにもユルい。
不思議な味のジミー・リード・スタイル。
ブルースといえば野太い声で歌い、ギター・ソロもキュイーンときそうものだが、
ジミー・リードといえばホワッとした歌いぶり、
ゆったりとしたリズムを刻むギター、
ジミー・リード自身が吹くハープもブロウというよりは、
ピーヒャラでブルーというよりホンワカなのだ。
そんなサウンドなもので、最初は個人的にピンとこなかった。
しかし、この微妙さ加減がブリティッシュ・ビートのアーティストには
ツボにはまるのかローリング・ストーンズをはじめとして、プリティ・シングス、
ゼム、アニマルズ、ダウンライナーズ・セクト、ヤードバーズ、
そしてルー・ルイスなどもカバーするなど大人気のブルース・マンである。
そんなこんなで本家を聴く機会がアチコチの枝葉から発生し、
次第にそのユルさが心地よいものに。
個人的には、あのウィルコ・ジョンソンも鮎川誠とのセッションでカバーした
《 Big Boss Man 》のような2ビート・スタイルがお気に入り。
これで腰をクネクネしちゃいましょう。
そんなジミー・リードですが、かなりのアル中で、
ライヴでもスタジオでも、いつも酔っぱらっているのだとか。
ライヴでは曲の構成を忘れることもシバシバ。
相棒のギターリストのエディー・テイラーがそのフォローを。
レコーディングでは歌詞を忘れることもシバシバ。
奥さんのママ・リードが歌詞を耳うちするらしい。
そんなジミー・リード、あのルックスといい、
性格もホンワカ・ムードが漂っているが、
実際はなかなかの意地っ張り。
先の酔っぱらいのフォローも
インタヴューではそんな事は無いと言い張るのだとか。
『 JIMMY REED AT CARNEGIE HALL 』
⇒ Amazonの詳細
本盤は「アット・カーネギー・ホール」とかいうタイトルで、
おぉーサスガ人気のブルース・マンのジミー・リード、
カーネギー・ホールなんて洒落たトコでのライヴ盤か・・・
なんて思わせるも、新曲11曲プラス
《 Big Boss Man 》、《 Honest I Do 》などの既存代表曲を加えた
ベストのようなニュー・アルバムのような不思議な
1961年に発売されたアルバムなのだ。
2008.12.11 | Comments(2) | Trackback(0) | ブリティッシュ・ビート・クラシックス
